模型製作にあたっては、数百枚に及ぶ「しらせ」の画像を確認しながら図面を作成しましたが、その中でいつしか変更されている箇所に気づくことが何度かありました。
今回はそれらについてなるべく分かりやすい画像を示しながらまとめてみました。
※ トップ画像は、就役式を終えて舞鶴を出航する「しらせ」 2009-5-20
アンカーレセス下方に突起物追加
「アンカーレセス」とは艦首部の両舷にある主錨(アンカー)を引き込むくぼみのことです。そのアンカーレセスの下方に、断面形状が偏平二等辺三角形を呈する横長の突起物が取り付けられました。
進水後海上公試運転に入り、実際にアンカーを出し入れしてみて、アンカーヘッドが船体に引っかかるなどの不具合が判明したのではないかと思われます。


艦首ブルワークのフェアリーダー用開口部の形状変更

艦首ブルワーク(波よけ)のデッキクレーン付近に係留用ロープを通す器具(フェアリーダー)のための開口部があり、角が丸く整形されました。
ロープが引っ掛かるなどの不具合があったものと思われます。
さらにその後、フェアリーダー基部の船体角に太い金属製保護材が追加されました。


氷厚測定装置格納位置の変更

氷厚測定装置は前部甲板右舷からポールを張り出して氷の厚さを測定する装置です。
就役後しばらくは右舷艦首ブルワークに固定してありましたが、いつの間にかその後方の艦橋下の通路側面に格納するようになっていました。
ちなみに一般公開の際に配布されるパンフレット裏面の側面見取図では、今も当初の位置になっています。


マストトップの登り口のフタ撤去

マストトップの円盤型アンテナ直下に足場があります。垂直梯子(はしご)で上り着いたところに当初はフタが付いていましたが、その後撤去されたようです。
高所かつ狭い場所でフタの開け閉めは危険と判断されたのかも知れません。


ヘリコプター甲板のマーキング変更
ちょうどマーキングの移行時期だったためか、就役時点では旧来のマーキングでしたが、間もなく変更されました。


マスト背面の垂直梯子に防護柵を追加
マストの背面にある垂直梯子に筒状フレームの防護柵が追加されました。


右舷煙突アンテナポールの長さ変更
2つある煙突の上部外側にはそれぞれ2本ずつ外側に傾いたアンテナポールが立っており、当初は右舷アンテナが左舷より長いものでした。その後の南極行動で右舷煙突のアンテナポールが折れる事故があり、そのためか後日左舷と同じ長さのアンテナポールに取り替えられました。
なお、2本のアンテナの間隔は、アンテナポールが長かった右舷の方が少し広いですが、長さが同じになっても間隔は変更されていないようです。


煙突前甲板にボックス設置
両舷の煙突前甲板にボックスが設置されました。用途は不明です。


デッキクレーン操縦席横の垂直梯子(はしご)増設
デッキクレーン操縦席を正面から見て、右側に当初から垂直梯子がありましたが、その後左側に若干幅の狭い垂直梯子が増設されました。


衛星通信用アンテナの小型化
艦橋上及びヘリコプター格納庫上の露天甲板両側にある計4個の衛星通信用アンテナが小型化されました。




コンテナラック後部の足場増設
コンテナの積み下ろし作業では、コンテナにスプレッダー(コンテナをクレーンに吊り下げるためのアタッチメント)を取り付けるなど、ラック上部での人力作業は結構あるようです。そのため、作業者がスムースにラック周りを歩けるように増設されたものと思われます。


コンテナラック前部上面への手すり増設
前述の足場増設と同時期かも知れませんが、前方コンテナラック上面に手すりが増設されました。


舷梯(げんてい)格納機器類の塗装色変更
舷門は停泊中の艦の玄関にあたりますが、その舷梯(タラップに相当)を出し入れする吊り下げ装置と固定器具の塗装色が変更されました。


荷役エレベーターのマーキングの変更
ヘリコプター格納庫前方両舷にある出入り口前に荷役エレベーターがあり、そのマーキングが変更されました。変更の理由は分かりませんが、塗装の手間を少しでも省くためといったところでしょうか。


艦尾の観測用ケーブル等の繰り出し機材の追加
2023年「しらせ」浜田寄港時のブログで書いた内容と重複しますが、令和5年度の整備工事で右舷寄り艦尾に観測用ケーブル等を繰り出すための機材が追加されました。
画像で比較してみると、周辺の手すりも固定式から取り外し可能なタイプに変更されています。



